PS3期待のフライトアクション『Lair』を開発したスタジオ、Factor5のJulian Eggebrecht氏のインタビューより、『Lair』について、PS3での開発プロセス、『Gears』との比較など気になる箇所を抜粋。(原文はQ&A形式です&例によって訳が適当ですのでご了承ください)
・LucasFilmの下でゲームキューブの『(StarWars)Rebel Strike』を作り終えた頃から、次世代機に備えオリジナルタイトルの発売を考え準備していた。
・ゲームはあるゲーム機に独占供給として作るのがいい。マイクロソフトや任天堂に否定的なわけではない。2004年頃から各ゲーム機の評価プロセスに入っていたが、その時点ではPS3の仕様が不明だった為、手探りのスタートだった。結局、PCアーキテクチャ上で、マルチコアの試作をつくり、決心が固まった。
・最初からドラゴンをコンセプトにして作った。Cellは物理計算に強く、フライト&アクションという次世代でやりたかったことを実現できると思った。『ジュラシックパーク』レベルの画質で動かすことが目標だった。ドラゴンの神話的な表現だけでなく、実在した恐竜の動きを参考にした。社内では、ファンタジー的な表現を重視するか、リアリスティックに表現するかの二つの意見に分かれており、自分はファンタジー派の方であったが、その中間でバランスが取れたものが出来たと思う。
・PS3での開発は、360やWiiと比較すれば困難なことは確かだが、言われるほど難しいものではなく、むしろその最適化にはやりがいを感じる。発売から半年経って、明らかに開発しやすい状況にもなっている。RSXについては限界はあるが、Cellについてはまだまだ限界は見えていない。
・PS3では二つに分かれたメモリ領域から情報を呼び出すことが出来る長所があるが、もしPS3を念頭に置かずに360を基準に開発した場合、メモリ管理やマルチコアの処理の違いにより、PS3への移植は極めて難しくなる。そのため、逆に最初にPS3で作っておけば、後から360への移植することも簡単に出来る。これから多くの会社は、まずPS3で作ることを考えるようになるのでは。幸いにも我々は(PS3独占の為)360のことを考える必要はなかったが。
・『Liar』はPS3のゲームで20000フィートの上空から地上1メートルのレベルまで詳細に描き、リアルタイムで大気や光を計算し、表現することができる唯一のゲーム。半年前までは不可能だった計算も、PS3のSPUSの研究に費やすことによってそれが可能になった。Ted Priceも『ラチェット』でSPUSの活用を始めているというが、何故『レジスタンス』の時点で採用しなかったのか疑問。
・『Gears of War』は基本的に都市内部でのゲームだが、『Liar』は32キロ四方に及ぶ巨大なマップ上を、上空と地上にわたってシームレスに何処にも行きたいところに行くことができる。『Gears』の採用するUnreal Engineは、比較的ゆっくりとしたスピードでしたマップを移動することしかできないが、我々のエンジンでは、速いスピードでも、Unreal Engineと同レベルで描くことができる。また『Gears』やその他のUnreal Engineのゲームは、基本的に一本道のゲームだが、我々のゲームでは一本道から外れて自由にプレイすることも出来る。
・次のチャレンジはこれをマルチプレーに適用すること。我々は『Gears』のマルチやCoopの大ファン。『Gears』と『Ace Combat』と組み合わせて出来るようなことを実現したい。
http://blogs.mercurynews.com/aei/2007/04/qa_with_factor_5_chief_julian_eggebrecht.html