LA Timesに掲載されているWiiの現状と今後の展望に関する記事です。あるアナリストの予測として「Wiiは一時的な流行で2年後には時代遅れになる」との見方を紹介。その一方で開発者達には低コストで開発できるWiiについて賞賛の声もあがっています。
Wiiが売れている現状についての部分はカットして主にアナリスト展望や開発者コメント部分を訳しました。続きを読むからどうぞ。
Wiiは連勝し続けることができるか
シアトル-ライバルをおきざりにする最もアツい新型ゲーム機、ニンテンドーのWii。ところが、あるアナリストはWiiが一時的な流行りモノに終わると予測しました。
( Wiiが売れていることについての説明~ 略)
しかし、あるアナリストは、段々とその目新しさも薄れてくるだろうと考えています。そしてその目新しさが無くなったとき、消費者はWiiのゲームを買わなくなります。WiiとライバルであるPS3・360とのグラフィックスの違いも、それらのゲーム機の処理能力を活かしたゲームを開発者が作ることでより目立つようになるかもしれません。
「Wiiは主にカジュアルゲーマーにウケています。そして深刻な疑問して残るのは、そのようなカジュアルゲーマー達が、どれくらいの間、そのゲーム機に定着してくれるのかということです。」GartnerIncのアナリスト、ヴァン・ベイカー氏。「彼らが短い期間で関心を失ってしまったとしても驚くべきことではありません。」
これまでのところ、Wiiの需要は供給を追い越しており、店頭でもWiiはすぐに売り切れてしまいます。Wiiの売上げはとてもホットで、その日本企業は、今年度の終わりまでに1400万台の販売計画を持っています。
またWiiを助けているのは$249という価格です。PS3の$599やXbox360の$299に対しての$249という価格がその売上げを助長しています。NPDグループの調査によれば、アメリカの消費者は先月、Xbox360の17万台、PS3の8万台に対して、36万台のWiiを購入しました。
(中略)
Wiiのシステムはゲームソフト会社にとっても好評です。顧客の興味をひきつけるゲームを作りだすには、デバイスが重要になります。以前のゲームキューブを踏襲したWii用ゲームを作る場合、一般的にソニーやマイクロソフトのゲーム機よりは少ないコストで作ることができます。Wiiのゲームには1~700万ドル程度のコストで一年未満で作ることができますが、典型的なPS3やXbox360のゲームでは、その開発の複雑さや高水準なグラフィックの為に2000万ドル以上の予算と1年以上の開発期間を要するのです。
「現在、最も勢いのあるゲーム機はWiiです。」ゲームソフト会社THQの最高責任者、ブライアン・ファレルはこう語ります。「そのコントローラは非常に革新的で、価格も魅力です。広い層に受け入れられており、開発にかかるコストも比較的安く、Wiiを気に入っている点は沢山あります。」
開発者達もおおむねWiiを気に入っています。何故なら視覚的な美しさに捉われずにゲーム本来の楽しみを作り出す作業に集中できるからです。「PS3や360向けのコーディングは気が重くなります」こう語るのは、ゲームソフト会社マジェスコ・エンターテイメントの技術主任ケビン・レイ氏。さらに同社は、昨年にWii専用ゲームの開発を決定してからは、Wiiのビジネスモデルが魅力的であることもわかりました。「Wiiならば、我々は余裕を持って、クリエティブで楽しく、何か変わったゲームを作ることができます。」
ニンテンドー社内のスタジオからは『メトロイドプライム3』や『スーパーマリオギャラクシー』のようなタイトルが年内発売を控えています。次期年末商戦に向けてニンテンドーが超大作ソフトに磨きをかけている間、あるアナリストはWiiの熱気がどれだけ長く続くのか疑いの目を向けています。
洗練されたPS3とXbox360のハードウェアはこの先の10年をもにらんで作られています。「Wiiは二年もすれば低解像度でパフォマーンスの低い、古臭いテクノロジーとして見えるでしょう。」ベイカーは言います。「その時にはもう、人々はWiiを受け入れることができなくなるかもしれません。」
しかしメディアコンサルティング会社のフランク・N・マギッド・アソシエイツの3月度調査によると、31%のWiiユーザーは、今後数年間はWiiで遊ぶつもりであると回答し、Xbox360ユーザー同様の質問を行った際の結果である21%を上回りました。
「我々は、熱が弱まっているとは見ていません」シャーマンオークス社のマネージングディレクター、マイク・ヴォルハウス氏。彼は、Wiiはシングルプレイと同様に、家族とも一緒にプレイできることが成功の要因だと考えています。それこそがまさにニンテンドーの強みなのです。Xbox360とPS3が主に若い男性に絞ってプレイされる間、Wiiは各家庭において、どの層にも平均的に、もっと多く人々にプレイされます。それはニンテンドーがライバルよりもゲーム機を売ること為の狙いが良かったということでしょう。
ニンテンドーオブアメリカの副社長ジョージ・ハリソン「以前まではティーンエイジの少年が一人で遊んでいました。」ハリソンはこう言います。「現在では家族全員で遊んでいます。」
http://www.latimes.com/business/la-fi-wii28may28,0,7961907.story